こんにちは!TCDユーザーさまにお会いしたくて全国を巡っている「ひっしー」です。
以前インタビューさせていただいた埼玉県は狭山市の「やまとう栗原園」さんの新茶販売が始まったので、取材に行ってきました!
茶葉の栽培から製造まで「情熱」を感じるやまとう栗原園さんのお茶はファンも多く、幅広い世代に愛されています。私も一ファンとして「新茶の時期に絶対に取材に行くぞ!」と決めていたので、勢いのまま突撃してきました(笑)。
インタビュー記事はTCD公式サイトをご覧ください。
待望の2023年の新茶!
お茶屋さんにとって一年のメインイベントとも言える新茶の季節。今年は3月が温暖な気候だったこともあり例年より早く新茶の製造が始まりました。また、雨も多く、程良い水分が土や茶の木によい状態が続いたので、美味しい新茶ができたそうです。
去年から一部栽培方法も変更され、仕立て方を変えた茶葉は味も香りも強くなっています。
オンラインショップでは以下の4つの新茶が販売されています。今の時期しか購入できない新茶をぜひお愉しみください。
- やまとうブレンド
- 狭山茶 新緑
- 狭山茶 陽炎
- 狭山茶 旬香
若芽の「やぶきた」を主体に「さやまかおり」や被覆栽培した茶葉で仕上げたお茶。
個々の品種を活かして合組(ブレンド)したキレのある煎茶。
炎(火入れ)にこだわり、【火香】を強めに施したお茶。
「はるみどり」を合組(ブレンド)したまろやかな甘みが広がるお茶。
やまとう栗原園さんの茶畑
やまとう栗原園さんの店舗は埼玉県狭山市水野にあり、最寄り駅の「西武鉄道 入曽駅」からは徒歩で約10分程度の場所に位置しています。住宅街を歩いていくと、一面に広がる茶畑が見えてきます。バスケットコート約48面分の大きさがあるそうです。
新茶の「のぼり」が立っていてこの辺りの風物詩なのかなと想像を掻き立てられます。
ご自宅の隣に店舗や製茶工場があります。蔵を改装して店舗にしたそうなんですが、趣があっていいですよね。
地元の方は店舗でお茶を購入される方が多いそうです。取材中も何人かお客さんが来ていました。
紅茶やほうじ茶、粉茶など種類もたくさんあります。
大きな製茶工場!繁忙期には深夜2〜3時迄お茶作り
店舗隣にある製茶工場も見せていただき、お茶ができるまでの工程を教えていただきました。製茶工程は主に7工程あります。各工程毎の製茶機械が並ぶ茶工場。個人のお茶屋さんでこの規模の設備があるなんて驚きです。
製茶の手順としては、大まかには以下のような流れになります。
- 茶摘
- 送風
- 蒸熱
- 葉打ち・粗揉
- 揉捻
- 中揉
- 精揉
- 乾燥
- 選別
- 焙煎
- 保管
ガンタンクみたいな茶摘機械に乗って茶葉を収穫します。茶産地以外は見る事のない乗用摘採機。静岡などのお茶の大規模産地にメーカーがあることが多く、壊れても簡単に修理に行くこともできないらしいです。
茶葉は収穫した状態で放置すると発酵(酸化酵素)が始まり、熱をもちます。品質の劣化に繋がるため、生葉コンテナで下から送風して熱を逃し鮮度を保ちます。
茶葉に蒸気をあてて蒸します。やまとう栗原園さんでは1時間で180kgの茶葉を蒸すように設定されているそうです。ベルトの流れるスピードにより、浅蒸しにするか深蒸しにするかを調整します。やまとう栗原園さんは基本的に深蒸しなので、緑も濃くなるそうです。全部ラインで流れるように設計しているため、次の工程に手作業で運ぶといった労力もいらないみたいです。
まずは、蒸し葉を揉みやすくする為、攪拌しながら表面についた余分な水分をとります。次に茶葉を揉みながら風量を調整します。日によって熱風の温度を変えるそうなのですが、温度や風量などのバランスを見極めるのが難しいらしいです。何度も手で触って感覚で水分量などを確認します。そこに職人の経験が活きてくる訳ですね。
茶葉や茎中心部にある水分を圧力をかけて揉み出します。水分を均一にして、以降の工程をスムースに行えるようします。
揉捻で固まった茶葉をほぐしながら回転させて揉みます。手でグッと固めて、軽くホワっとほぐれるくらいの水分量になったら次の工程です。
茶葉が真っ直ぐになるように一定方向に揉んで形を整えながら乾燥を進めると、お茶が艶やかになっていきます。
水分量が5%程度になるまで乾燥させます。
ふるいにかけて大きさを分けたり、色彩選別機で細かい茎などを取り除きます。
ドラム型の火入れ機で焙煎します。温度、速度、風量などを調整し甘い香りを引き出します。
仕上げたお茶を冷蔵庫で保管します。今は段ボールですが、昔は茶箱で保管していたみたいです。歴史を感じますね。紅茶を作る時は茶箱に入れて半年ほど熟成させるそうです。
ザックリとですが、以上がお茶製造の工程になります。
他にも細かい工程がありますが、完成までに多くの手間暇がかかっているんですね。機械化はされていますが、細かい調整は人の手が必要です。何度も茶葉に触れて、茶葉の「しとり具合」を手で感じながら仕事をしていくとのことでした。茶葉の水分量と乾燥度のバランスの良い状態を「良いしとり」と言います。機械化・自動化したとしても、最後は職人の知識や経験が必要となる世界だと実感しました。
自宅でもお茶を淹れてみました
新茶と紅茶を購入させていただいたので、早速自宅でも淹れてみました。
お茶の淹れ方として、苦みの成分は熱い方が出やすいため、ちょっとお湯の温度を低くして淹れるのがおすすめです。甘味が立って美味しいお茶を味わうことができます。自分好みの温度や時間を見つけるのも楽しいですよね!
やまとう栗原園さんでは紅茶にも力を入れられています。お茶屋さんの紅茶だけあって、高品質だと評判も高いです。私もやまとう栗原園さんの紅茶が好きで、良く仕事の合間に飲んでリラックスさせていただいています。ちょっとした手土産などにも喜ばれますね。
最高峰のお茶をぜひお愉しみください!
今回の取材を通してなぜやまとう栗原園さんのお茶には人を惹きつける魅力があるのかを考えてみました。それは、飽くなき探求心により毎年自分自身のスキルを上げていこうというその姿勢。そして、何よりご自身がお茶作りを楽しんでいるのが伝わってくるからだと思いました。ものづくりを楽しむ姿勢や情熱はその作品に宿ります。作品から想いが伝わってきます。その想いが感動を生み、人を惹きつけるのだと感じました。
菅野さんの人柄はもちろん、お茶づくりに取り組む姿勢に私はますますファンになりました!「多くの方に日々の暮らし中でお茶を愉しんでいただきたい」という理念のもと、毎年進化を続けるお茶は、これからも日本の文化として私達の生活をより豊かなものにしてくれるでしょう。
ぜひ「やまとう栗原園」さんのお茶をお愉しみください!
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